冬はつとめて

chiss4122005-11-14

「冬は勤めて?」冬は忘年会やら何かと出費がかさむので、冬くらいちゃんと仕事探して!という切迫した失業夫を叱咤激励する家族ドラマの台詞ではもちろん無く、冬は早朝がよいという意味。でも枕草子の時代はそうだったのかもしれないが、冬は早朝が一番辛い、、本当に寒いし暗いし、ちっともつきづきしくないし、むしろいと悪ろし。

なんか、忘れても問題なさそうだけど、原文載せればなんかの役に立つかも知れないので。載せとこう。版権はもう無いだろうし。

春は曙、やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。夏はよる。月の頃はさらなり、闇もなほ、螢飛びちがひたる。雨などのふるさへをかし。秋は夕ぐれ。夕日はなやかにさして、山のはいと近くなりたるに、烏のねどころへゆくとて、三つ四つ二つなど、飛びゆくさへあはれなり。まいて、雁などのつらねたるが、いとちひさく見ゆる、いとをかし。日入りはてて、風のおと蟲のねなど、いとあはれなり。冬はつとめて。雪のふりたるは、いふべきにもあらず、霜などのいとしろく、又、さらでもいと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるも、いとつきづきし。晝になりて、ぬるくゆるびもてゆけば、炭櫃、火桶の火も、白き灰がちになりぬるはわろし。