小説兜町(しま)

chiss4122006-03-23

トレーダーで最近ディーラーに転進した友人に薦められて読み始めた小説。東京の証券会社の中心地、日本橋兜町をシマ=縄張と表現した、清水一行のデヴュー作。当時の証券会社の裏事情が随所に登場し、現在同業に身を置く身としては無視できない作品であった。興業證券の山鹿悌司とう主人公は日興證券の営業部長、斉藤博司氏という実在の人物がモデルとして描かれている。戦後に訪れた神武景気岩戸景気の上昇相場にのって、相場を展開する主人公の生き様がすさまじい!必読!

当時は本田技研ですら新興銘柄であったという事実が妙にリアルで面白い。