【from日経 004】 夜に株を買いたくなる相場を期待

10.06.2007
世界企業のR&D投資額ランキングが欧州連合の調査で発表された。R&Dは研究開発を指す。
世界一は米製薬大手ファイザーで、57億6200万ユーロであった。以下2位以下は、米フォード(54.59億EUR)米ジョンソン&ジョンソン(54.03億EUR)、米マイクロソフト(54.00)、独ダイムラークライスラー(52.34)、日トヨタ自動車(51.72)、英グラクソスミスクライン(51.30)、独シーメンス(50.24)、米ゼネラルモーターズ(50.04)、韓サムスン電子(46.59)、米インテル(44.53)、仏サノフイ・アヴェンティス(44.04)、米IBM(43.03)、独フォルクスワーゲン(42.40)、スイス ロシュ(40.93)となった。

10.10.2007
世界最大のアルミ会社の露UCルサールは2007年10月9日、ロシア中部サラトフ州に年間生産能力105万?のアルミ精錬工場を建設すると発表。100万?を超える工場は世界初。これによる現状381万?でトップの同社が486万?となりトップの座をさらに上乗せする。アルミ精錬には大量の電力が必要だが、今回は同時に原子力発電所を併設する大型案件で、総投資額は60-70億ドルになる見通し。UCルサールは2007年春に、露最大手のルサールが同2位のサアルと、スイスのグレンコアのアルミ部門を買収して誕生したばかり。2位の米あるコア(356万?)を抜きトップに立った。しかし、現在7位の英豪のリオ・ティント(84万?)が3位のカナダのアルキャン(344万?)に対しTOBを実施しており、これが実現すればUCルサールは2位に後退するところだった。同社は既に露の原子力庁と交渉に入っているが、原発まで巻き込む事業モデルは斬新過ぎて不透明さが残る。

PTS取引低調
カブドットコム証券が2006年9月に国内初の本格的な株式の夜間取引市場を開設してから1年余り経つが、売買は低迷している。そんななか2007年8月末にはSBIグループが参入、松井証券も開設準備を進めるなど競争が激化している。現在はカブコム、ジャパンネクスト、マネックスの3社が開設している。

カブコム     18:30-23:59、2000銘柄、オークション方式
ジャパンネクスト 19:00-23:50、4000銘柄、オークション方式
マネックス    17:30-23:59、3700銘柄、一本値

上記のとおり、カブコム、SBIジャパンネクストは投資家の注文動向に応じて株価が変動する競売買方式を採用、当初は昼間忙しいサラリーマン層などの利用を見込んでいた。ただ、市場開設から1年1ヶ月の累計での売買代金は340億円強。一日平均で1億円にも満たない日も多い(東証は第一部だけで1日2.5兆円、殆ど売買の無い外国部ですら600億円はある)。つまり流動性が無いから参加者が来ないという悪循環に陥っている。一方でジャパンネクストは取引開始一ヶ月で90億円を超えた。一日平均でも5億円と依然小規模ながらカブコムの4倍強。最大規模のインターネット証券のE-TRADEが参加していることが大きい。他GSやGMO証券も参加しており、今後楽天証券とも接続予定。対するカブコムもパリバ、三菱UFJ、GSなどと接続するなど、各陣営囲み込み作戦に出ている。しかし実際は個人を巻き込んだモノ勝ちな気がするが。機関投資家の売買サイズは到底裁けないのは明白だからだ。また売買の意思決定は数時間では決まらない。夜間にあえて注文を出す状態ではトテモない。