万年筆でストレス解消

実は昔から万年筆派でして。大学時代のノートの殆どは祖母にもらったセイラーの万年筆で書いてたほど。長年愛着を持って使ってたのだが、一本目は大学4年の時に衝撃の紛失。その後社会人になりある程度余裕がついた頃に、悔しさと申し訳なさから全く同じものを2世として購入。だがこれも混迷の時代の中で失踪。で、今の相方は3世。一応パイロット社とプラチナ社も書いては見たが、パイロットはペンの書き味が固く、プラチナ社はセイラー社の書き味に似ていたので、愛着のあるセイラーに落ち着いた。縁があるのか「プロフィット」という名前が金融に向いているのかはなんとも。

だが3世には長い間不遇の時代を過ごさせてしまう。社会人になって仕事もハードになってくるとデリケートな万年筆の出番は減り、会社支給の使い捨てのボールペンが机に何本も転がるようになったからだ。ペンカバーの無いもの、誰かのデスクから来た流れ者、色の出ないもの。愛着もへったくれも無いかんじ。

だって仕事の大半はキーボードと電話で完結するし、なによりスピードが要求される職場ではペンで書くというのは無駄に時間のかかる煩わしい作業になってたから。もともと字は上手くない上に殴り書きなもんだから、自分の字ながら驚くほど雑で、不快なモノと化していた。PCが遅い時のイライラに似た感じ。

最近の金融危機もあり、結構ストレスが溜まったなと思った頃に、ふと思い立って机の中の3世にインクカートリッジを差し込んで書いてみた。そしたらばこれがなんとも爽快!字を書くのが実に楽しい。ボールペンでは出ない強弱や跳ねが綺麗にでるし、確実に実力以上に上手に書ける。8年くらい忘れてた感覚が蘇った。それ以来なにかあると紙に書くようになった。なんだかストレス解消にもなるし、字の度忘れも大分減ったみたい。

というわけで万年筆お勧め。個人的には国産ならセイラー派。ちなみに「極黒」というインクは万年筆の弱点だった水に強いので、これまたお勧め。